ナチュログ管理画面 釣り 釣り 近畿 アウトドア&フィッシングナチュラムアウトドア用品お買い得情報

2011年11月22日

赤い釣行/完結編


赤い釣行 完結編

赤い釣行/完結編


不甲斐無い朝マヅメを終え、向った先は湖西の浜。

初めてのカヤックでの釣りということもあり、エントリーのし易さからポイントを定める。

幸い駐車場にも空きがあり、スムーズに車を滑り込ませた。



手にした赤いタックル。

初めてのロッドに初めてのリール。

初めてのチャンピオングリップ。淡水では初めて用いるPEライン。

そんな、初めてづくしで盛り合わせのような釣行に、

まずは浜に降り立ち、岸から数投の試投。

・・・・・・・・

さすがに片手で投げることへの違和感があり、

ついつい、左手を添えてしまいそうになる・・・・・

引き手がない分、飛距離も伸びず、イマイチながら、

なんとかなりそうと楽観的。一旦車に引き返す。

浜の釣り人の位置を確認しながら

久しぶりのカヤックに、空気という息吹を吹き込む。

車から荷降ろし、広げ、フットポンプ。ものの6分少々。

この準備の速さは特筆すべき。

軽く持ち上げ浜まで進む。

赤い釣行/完結編

赤いリールに赤いハンドル。赤いロッドに赤い艇。

柄にもなく、赤で染められた本日の釣行。

久しぶりに漕ぐカヤックでの、初めての釣り。

否が応にも、期待感が沸々と込み上げてくるのを感じながら。

風も無く、穏やかな湖面。

朝日を拝むことは出来たものの、この後の予報は生憎の雨。

空には既に陽の姿無く、グレーな雲に覆われる。

そんな中、赤い釣行へ向け、静かにして速やかに浜を離れる。

赤い釣行/完結編

テイクオフ。



まずは、岸からの釣り人が狙うエリアを避けながら、まっすぐに沖を目指す。

久しぶりに漕ぐ、パドルの感触。湖の感覚。

周囲からの音は無く、パドルを漕ぐ音だけがただ優しく耳に響く。

実は、これだけである意味充分に満足な心地。

湖面を舐めるように進むカヤックと、自分の動作が重なり合う。



沖へ到達し、浜を振り返る。

浜には数名の釣り人の姿。

普段とは違う視点、違う景色に暫し見とれるが、

湖西の山々には既に雲が覆い掛かり、早くも雨の到来を予感させ、

紅葉に染まり始めているであろう、頂は見えず。


浜からの釣り人のキャスト範囲を確認。

常日頃から、無神経なボートでの釣り人や、レジャーボートには少々辟易しており、

そんなふうにはならないようにと、しっかりと距離を置きポジションを定める。

普段岸からのキャストでは届かない、沖目でのボイルやライズ。

そんな場所を狙っていこうと・・・・・・

・・・・・・・・

が、いざ、沖へ出てみると、はてはて・・・・・

浜からの釣り人を考慮すると、一歩先へ踏み込めず、

慣れないカヤックでのキャスティングは飛距離が伸びず・・・・・・

と、少々掴みきれずに路頭に迷う・・・・・・

いやいや、そんなこんなも、愉しみのひとつなのだけれど。


普段興じている海でのボート釣りなどは、魚探が装備されており、

水深や地形なんかが見て取れるのだが、生憎今日は人力のみ。

でも、そんなところがまた愉しくもあり。


イマイチ掴めない感じながらも、

いつもの浜からの曖昧な経験と、周囲の地形や山並みなんかを頼りに探り始める。

風も無く、穏やかな湖面ながら、少しずつ、弱き風に流されポジションがズレる。

そんなものを調整しながら、表層を湖面が割れることをイメージし、狙う。

が・・・・・・・・

いやいや、そんなにウマクは行かないもの。


しかしながら、のんびりとこうして湖に浮くのが心地よく、

釣果は二の次、三の次。

というのは、釣れない言い訳に過ぎないけれど。

赤い釣行/完結編


少し漕ごうと、浜の北端へ向け、一所懸命漕いでみる。

徐々にスピードが上がり、湖面をすべるように進む赤い艇。

実際は、自分が思っているほどのスピードも出ておらず、

岸から望めば少々滑稽ではあるのはお構い無しで。



水面近くまでウイードが残るエリアを目視にて確認。

そのエリアから少し距離を取り、狙いを定める。

が・・・・・

岸際では随分ときれいに見えた水の状況も、

先ほどから少々気になるのが、水の濁り。

水中に、塵のような浮遊物がかなりの量で舞っており、

艇漕ぐパドルが、かき混ぜる湖面には泡が残る。

そして、ここ最近の朝晩の冷え込み。

そう、いわゆるターンオーバーの様相。

どうやら、湖上で有頂天になっている私に対して、

随分と状況はよろしくないようである。

・・・・・・

しばらく探るも、まったく反応が得られず、

のんびりと浮き、投げることを主にと、

一気に趣向を変えてしまう、このお気楽さ。

おもむろに、朝食のサンドウイッチなんかを取り出し、

プカプカ、プカプカ・・・・・・

周囲の景色なんかを楽しみながら、煙を一本、

ユラユラ、ユラユラ・・・・・・

と、呑気に浮くことに専念。

いやいや、それだけでも十分に愉しくて・・・・・・・

少し慣れた、赤いタックルで、キャストをするだけでも愉しくて・・・・・


時に投げ、時に漕ぎ、時に浮き・・・・

と繰り返し、浜の沖目を右往左往。

少し、空気に雨の香りがしたかと思うと、ポツリポツリと。

予定より早く降り始めた雨。

未だ、ほんの小雨ながら、徐々に本格化するのは目に見えて分る。



なんやかんや言いながらも、実のところは魚を手にしたいのは当然。

それまでは、何とか水面を割って、と思い投げていた表層系のルアーから

少し潜るルアーへと替え、狙う泳層を変えてみる。

ある程度絞り込んだエリアを、時に素早く、時にゆるりとルアーを泳がす。

そして・・・・・・・・

ようやくロッドに伝わる違和感。

ほぼ初めて用いるグラスロッド。その特性なのかは未だ分らないが、

グゥーンというような柔らかなアタリ。

少々疑心ながらも、既に右手はアワセを入れ、

ロッドを伝わる魚からの返信に、一気に気分は高揚。

大魚ではないことは確かながらも、

必死の形相でひたすらに、赤いリールに付いた赤いハンドルを、巻く。

そんな視界の端には、きれいな弧を描く赤いロッド。

少し潜られたようだけど、湖中を覗くと、

濁った湖中に鈍く輝く魚の姿。

岸での釣りと違い、魚の寄せ来る感覚が、魚との目線が近く愉しい。

これがもし、大魚であれば、艇ごと引っ張ってくれないかと、

そんな妄想をも抱きながら、

実のところは、何とか手にしようと必死だったのは言うまでもない。


そして、ようやく。

赤い釣行/完結編

初めてのカヤックでの釣果。久しぶりのブラック。

30cm+ではあるけれど、またひとつ、心に残る一魚に出逢う。

気分的には、感無量。



しかしながら、一魚を手にしたことで、新たに芽生える釣り人の欲望。

更に大きく、更に多く・・・・・・・

そんな釣り人の心とは裏腹に、雨足が少し強くなり始め、

西の山々は雲に隠れる。

最後のひと漕ぎを終え、これにて納竿。


赤いリールに赤いハンドルちょいと付け、

赤いロッドに据わらせて、

赤い艇漕ぐくろぼうが、

釣った魚は、上記の通り・・・・・



と、何とか釣果を得た赤い釣行。

サイズではなく、数でもない、釣りの愉しさ。

釣り上げた一魚の大切さ。

そんなものを感じながら、

普段は岸からの釣りに拘ってはいるけれど、

こうした、釣り遊びもまた一興かなと。

また、気候の良い季節に浮くことを想い、

そんな赤い釣行、ようやくこれにて・・・・・


完結。

赤い釣行/完結編








〈あとがき〉


今回の赤い釣行。

随分と大げさに予告編なるものを作ってしまい、

ご期待いただきました方々には、

この場を借りて、お詫び申し上げます。


実のところ、

赤いタックルでの釣行を決めた時点で、

ブログの下書きの粗方が済んでおり、

赤い釣行で青い魚(ブルーギル)を釣る。

という、そのオチも用意していたのですが・・・・・

記事先行型の釣行の試みは見事に裏切られ、

そんな下書きも、少々新たに手を加え、

本編の予定が、予告編へと変わり・・・・・・・


狙った魚が釣れず、

そんな時に限って、釣れるブラック・・・・・

釣りとは、いつも想うようには行かないもので、

それがまた、愉しくもあり、苦しくもあり・・・・・・

これからも、そんな釣りを大切に、愉しんでゆきたいと想います。



ご覧戴き、有難う御座いました。























このブログの人気記事
小雨の渓で
小雨の渓で

同じカテゴリー(ブラックバス)の記事画像
旅の話のその前に
遠回りして寄り道を
湖上の休日 -2-
湖上の休日 -1-
夜襲
秋空広がる湖岸を歩く
同じカテゴリー(ブラックバス)の記事
 旅の話のその前に (2017-06-01 22:27)
 遠回りして寄り道を (2016-09-09 15:15)
 湖上の休日 -2- (2016-06-27 15:15)
 湖上の休日 -1- (2016-06-20 18:18)
 夜襲 (2015-10-27 15:00)
 秋空広がる湖岸を歩く (2015-10-17 15:00)
この記事へのコメント
こんばんは。

本編楽しみにしておりました。
湖上でのんびりとした釣り本当に癒されますね。
羨ましいです。

そして、赤がやっぱり綺麗ですね。
大きい魚が釣れるともちろん嬉しいですが、
小さくても本当に好きな釣りを愉む。

自分の理想の釣りをなされているような気がします。
いつもありがとうございます。
Posted by 赤い釣人赤い釣人 at 2011年11月22日 22:05
こんばんは。

あとがきでのお詫びなんて、とんでもないッス。
本編も十分に堪能させて頂きました♪

カヤックで浮いての釣りはやはり魅力ですねー。
凪の琵琶湖なら私でも酔わない気がしますw

でも、私が乗ったらフックかタバコですぐ艇に穴
を空けてしまいそう・・・
Posted by アバー at 2011年11月22日 23:45
⇒赤い釣り人さん

おはようございます。
コメントを頂き、ありがとうございます。

湖上での釣り。
今回は水質も悪く、状況が厳しかった故、
また、初めてのカヤックでの釣りということで
のんびりと浮いてきました。
残念ながら、短時間での釣行となりましたが、
とりあえず嬉しい一魚に出逢えたことに満足しております。
釣りには色々なスタイルがあるかと思いますが、
こんな釣行もたまにはいいものです。
是非一度、赤い釣り人さんにも味わって頂きたいです。
Posted by くろぼう at 2011年11月23日 07:39
⇒アバーさん

おはようございます。
毎度のコメント、感謝の限り、励みになります。

カヤックでの釣り。
かなり心地良く、愉しいものです。
この記事でアバーさんの欲しいものりストの
かなり上位にくい込んだのであれば嬉しいのですが・・・・

意外にこの艇、つくりがよく、表カバーもしっかりとしており
フックや煙草もそんなに気にせずいけそうです。
穏やかな湖面であれば、おそらくは酔わないと思います。
私は、そんな時にでも、念の為アネロンを飲みましたが・・・・

来春は、湖北の名所:海津の桜を湖上から望みたいと想います。
Posted by くろぼう at 2011年11月23日 07:51
こんにちは。
本来は、こちらにコメントを入れるのが先ですが、
先に記事に掲載させて頂きました。
失礼しました。

それにしても、カヤックとてもいいですね!
またひとつ欲しいものが増えてしまいました。

時に湖面を滑るように、時にふわりと漂うように、
自由に水上を楽しめる、素敵な乗り物ですね。

そして出会えた素晴らしい一尾。
傷の無い美しい魚体ですね。

これからも良い釣行を、期待しております。
Posted by simesabasimesaba at 2011年11月23日 12:45
⇒〆さん

こんにちは。
コメントを頂き、ありがとうございます。

「赤とくろに酔う」では、粋な計らい、誠にありがとうございます。
驚きもさることながら、嬉しき限りです。

カヤック。いやいや本当に気持ちの良いものですよ。
是非とも一度、私の赤い艇で良ければ浮いてみて下さい。
暫くは、〆さんのお好きな季節故、カヤックはお預けですが、季節の良い時にでも。

赤はともかく、「くろ」については、
あまり飲み過ぎると悪酔いします故、ほどほどに・・・・

冬の湖西が愉しみです。
Posted by くろぼう at 2011年11月23日 13:11
こんにちは。
僕はスピリーツーに目を奪われっ放しです!

岸からの距離は気をつけたいポイントですよね~
僕もフローターをやる時にはそこに最も気を遣います。
本当はブレイクの上にポジションを取って並行に攻めたいのですが、なかなかそうは行きませんよね。

ちなみに海津の桜…今年の春に念願のオープンでの走行を体験しましたが最高でした!
次なる目標は水上からだと思っていましたので、とても羨ましいです!
Posted by uedaueda at 2011年11月24日 13:02
⇒uedaさん

こんにちは。
コメントを頂き、ありがとうございます。

スピリーツーでの初釣行。こんな感じで幕を閉じましたが、
愉しいひと時が過ごせました。
そろそろポチッといかがでしょうか?

岸を離れる釣りは、釣りそのものとは別に、
岸の釣り人との距離が難しいですね。琵琶湖のようなフィールドは特にその様に感じます。
当たり前の事ですが、最低限のルールというか、モラルは忘れない釣り人でありたいと思っています。

uedaさんの海津の桜の記事は、私にとっても記憶に残っております。
今年の春に湖上からと、実は私、企んでいたのですが、タイミングが合わず、散りゆく桜を岸から眺めておりました。
来春はなんとか、そんな桜を湖上からと、既に今から企んでいるところです。
uedaさんにもまた、素敵な桜が見られることを期待しています。
Posted by くろぼう at 2011年11月24日 14:06
※会員のみコメントを受け付けております、ログインが必要です。
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。