秋アオリ
秋のアオリイカを求めて洋上に浮かぶ。
雲ひとつ無い秋空の下、
海を渡る潮風の心地よさ。
キラキラと海面に反射する、秋の日差しに包まれながら、
久しぶりに竿の持てる休日を、日がな一日洋上で過ごす。
今年の初秋、まだ夏の日差しが残る頃、
夏を引きずり、憧魚を求め、秋の旬を見過ごした。否、見て見ぬ振りをした。
例年であれば、数度は足を運ぶ秋のアオリイカ新子釣行。
機会があって、一度はボートで出たけれど、
生憎今年の初秋は、如何せんアオリイカの発育が遅かった様子で、
多くのリリースサイズに翻弄された。
その後は、竿の振れない週末を過ごしながらも、
琵琶湖行脚に勤しんではいたのだけれど、
季節の旬を、堪能しようと、この週末の釣行は海に出ることに。
徐々に深まる秋と同時に、初秋の新子はサイズアップ。
大きくなった個体から順に、アオリイカは深場へと推移し始める。
そんなアオリイカを狙おうと。
好天に反して、状況は厳しく渋い。
周囲の数々のボートも、その竿は曲がらない。
当初の目論見は外れ、少々手痛い仕打ちを受けながら、
そんな中でも、ポツリポツリと拾い釣り。
釣果は両手を少し足りず。
ただ、少し小ぶりなものも混ざりながら、まずまずなサイズを狙い通りに。
アオリイカ特有の、寄せ来る途中の、引き込むような心地よい引きも堪能できた。
また、深場のアオリのみならず、好みのシャローでも。自分流の釣り方で。
釣果やサイズのみに重きを置かず、
その釣行をどれだけ愉しむことが出来たのか、
その一瞬、その一日を充実したものとする為に竿を振る。
久しぶりに一日を竿を持って過ごし、
心地よい疲れと共に満たされた釣欲。
今宵は、このアオリイカを肴に、満たされる食欲。
そして新たに芽生える、次の一魚への探求。
飽くなき釣り人の欲求は、止まる所を知らない・・・・・
この、豊かなる自然の恩恵に感謝。
関連記事