雨鱸。
残念ながら、写真は無いけど、雨降る中で鱸を一本。
釣りに行けずに過ごした少々不毛な週末に、募るばかりの釣欲。
週が明け、見上げた今朝の空模様に、まずニンマリ。
これからの一週間ほどと、今日一日の予定を見て思案数秒、更にニンマリ。
・・・・・
いざっ。
現地は雨の予報だが、行く道中は、降ったり止んだり、時折晴れ間が射したりと、
美しく赤や黄色に彩られる、多彩な山並み。
暦の上ではもう冬だけど、深秋の景に心洗われる思い。
途中出くわす、激し風雨に少々心もとなくなるが、
無理なら様子を見て帰るだけのこと。
行かなきゃ何も解らない。と、言い訳がましく。
着けば何のことは無い小雨。
雨に対する身支度を整え、水面を覗く。
しかし、時折激しく降る雨は、まぁ大したことは無いのだけれど、
風が・・・・強い。
下流から上流に向け容赦なく、
数投試し投げをするものの、流れの上ではなおさら強く、
ラインは大きく弧を描き、ルアーのコースが定まらない。
要所要所を流し打ちしながら、狙いのポイントの少し手前まで。
吹けども止まない風は無く、降れども止まない雨はない。
風の弱まるタイミングを見計らい、狙いのエリアへルアーを放る。
一投目。上手くルアーは入ったが、すぐさま吹く風にラインがはらみ上流へ流される。
また少し待ち、風の弱まり始めたタイミングで二投目。
いい感じで入ったルアー、水面を踊るように泳がせる。
出る時は、結果が早い。
流れの撚れを通り過ぎ、少し泳いだタイミングで水面が割れる。
同時に伝わる心地よき魚信。
フッキングも入り、ここから愉しい魚との力比べ・腕比べ。
二三度激しく突っ込まれながら、ドラグの鳴く音に心躍らせ、
ランディングするべき場所まで歩を進め、対峙。
流れの中程は、魚が上流を向いてくれるお陰で難なく寄せることが出来、
水面近くへ足場を移し、今日はどうやら浸からずに獲れる態勢に。
水の中に見る魚影。まずまずデカい。
その姿、威風堂々。
と、ここまでは意外に冷静に対処でき、
魚とのやり取りを存分に愉しむこともできたわけなのだけど、
掛るフックは、テールのトレブルフックのうち1本。
少々焦って、テンションをなんとか保ちつつ、数度の悪足掻きを奇跡的にイナし、
スマートではないけれど、もたつきながら、少し強引にハンドランディング。
口にはルアーが残っているけど、バーブレス故少々の傷は厭わない。
魚の口に手を掛け、 獲った と溢れる安堵と喜び、そして感動。
水から魚を持ち上げて、態勢を少し変えようと・・・・・
その瞬間にズルッと・・・・・フックも外れて・・・・・
・・・・・
まぁ、こんなもの。
写真を撮るために魚を釣っているわけではないし、
魚の大きさを求めているわけでもない。
正直言えば、少々残念な気持ちはもちろんあるけど、いたって気分は清々しく。
ちょっと一服。
少し今の魚とのやり取りで、ポイントが荒れたかな・・・・・
と、思いきや、魚はとっても高活性。
天候をはじめ、色んな好条件が揃っていたのか、
イイ感じにルアーが入っていけば、勢い水面を割って出る出る。
時には全身を空中に投げ出してまでのアタックも。
そんな姿に惚れ惚れと痺れながらも、
最初の一魚以降はどれもフッキングには至らなかったのだけど・・・・・
更に強まった風により、水面がかなり荒れだしたことも原因のひとつではあるだろうけど、
徐々に様変わりする、川の様相は始めてみる感じのもので、不思議な光景を目の当たりに。
その後はあまりにも強すぎる風と、もはや波と呼べる水面に変わってしまい、
少しの間、タイミングを図ったり、行ったりきたりするのだけれど、
さすがにさすがに、水面割れず。
他に沈めるルアーも、バッグに忍ばせてはあるのだけれど、
もう、いいかな。と、雨の鱸釣りは納竿。
雨に打たれ、風に吹かれ、少々身体は冷えたけど、
水面割れる、アツい釣りは堪らない。
残念ながら、写真はないけど、脳裏に焼きつく今日の一魚に、また感謝。