五十の片鱗

京都釣組

2011年04月27日 23:47

五十の片鱗。



テールフックに五十の片鱗。

不思議に悔しい気持ちや、残念な想いが無く、

むしろ、清々しい気分が心地よい。



調べものがあり、、朝から湖東の小さな町へ。

現地での調べものは一時間足らずで事足りる。

琵琶湖を素通りして帰るわけも無く、

昼飯代わりに少し竿を振ってみた。



湖東の町へと向かう車中、カーラジオからの天気予報。

午後から雨。所により雷雨や雹。天候が荒れる。とのこと。

気温は朝の時点で20度超。そして、低気圧の接近。

条件的に、気配と期待を感じる天候。


調べものを終え、琵琶湖大橋を渡る頃には、天気予報通り。

それまでの、晴天の向こうから、灰色の低い雲の接近。

少しでも時間が惜しく、帰路を考え進路を南に、南湖にポイントを定める。


徐々に強くなりだした風は、釣り始める頃には強風に。

南からの湿った暖かい風を感じながら、

しばらくは、風裏になるポイントでやり過ごすが、

勿論、風は止む気配無く、勢力を強めていく一方。

実績のある、南向きの浜を諦め、東向きの浜へと移動。


ルアーチェンジ。それまでのコトカスミディアム/ゴッキープレゼンツVer.から、

私にしては珍しく、思うトコロがあり、サミング70SPを結ぶ。


移動後数投で、小気味の良いアタリ。どうやらブラックではなく、ブルーな感じ。

2~3投後で、再度。今度はしっかりアワセを入れる。

やはり、ブルー。

青物はこの週末の丹後ジギングで釣る予定。今日は青でなく黒を望む。

だが、不釣続きの琵琶湖釣行。

魚種は違えど、久しぶりの魚信が、純粋に嬉しく楽しい。


浜の中程、絞り込んだわずかな範囲を小移動。

風と波、地形を考慮し、居るなら此処かと、数投目。

微妙な違和感を得たコースを再度トレース。

ゴゴッと、手ごたえのあるアタリに、焦らずアワセを入れてやる。

まずまずの重量感を感じながら、心は少し、はち切れそう。

でも、意外と冷静。丁寧に寄せに入り、ランディング。



五十には一寸足りない47。

私的には、十分すぎる。久しぶりの快心の一本。

これで今日は満足と、帰ることも考えたのだが、まだまだ少し時間がある。

欲張ると、ろくなことが無いことは承知の上だけど、

時間の許す限りは投げ切ると、キャストを続ける。


もう一枚ブルーな魚を釣り上げ、

先程の一本を掛けたポイントより、更に波が巻き込む側を狙う。

基本はただ巻き、時折ステイ。

ゴゴゴッゴンッ!明らかに、先程とは違うトルクのある引き込み。

久しぶりに感じる、ロッドが絞り込まれるこの感覚が堪らない。


明らかに、五十を超えたと確信。

慎重にやり取りしながらも、心拍数は上がりっぱなし。

ようやく、岸際数メートル。波間に垣間見える大魚の魚影。

幼稚な言葉かもしれないが、ミサイルみたいと真剣に思った。

私の釣り上げた、これまでのブラックよりも大きい体躯。

60まではさすがに無いであろうが、それに遠くはない。

少なくとも、55の確信あり。

釣り人の戯言、逃がした魚は大きいと、

話半分割り引いたとしても、明らかに五十は超えた。


不意の抵抗に備え、体制を整えながらも、

ふと、それまで必死であった感情が、バラシへの畏怖へと変わり、

同時に、サムルアーズのレポートなんかのことも考え、

今日のブログは・・・・・・・

と、一瞬気がそれたのか・・・・・・・


フッ・・・・・・と。



空白の一瞬。


足元僅か数メートルで、フックオフ。

相変わらずの詰めの甘さは、私の持ち味のひとつだが・・・・・


ルアーを見ると、冒頭の写真。

テールフックに五十の片鱗。

さすがに唖然としたけれど、

不思議に悔しい気持ちや、残念な想いが無く、

むしろ、清々しい気分が心地よい。


五十超えはまた今度、もう少し腕を上げてから。

素直にそんな気がした。



釣れる日もあれば、釣れない時も。

不釣を経たから今日がある。

だから釣りはやめられない。



今日の一本に、喜びと感動を。

逃がした魚に、感謝を。






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