はじめてのルアーフィッシング

京都釣組

2012年10月23日 15:15

はじめてのルアーフィッシング。



どこかの書籍にありそうなタイトルですが・・・・・


久しぶりの釣りを愉しんだ翌週末の土曜夜。

女性陣の居ない自宅にて、密かに企む男が二人。


週末の土曜日を、父仕事、息子はサッカーの試合、

女性陣は義実家へと、一家離散の一日を過ごし、

息子と二人きりの夕食の後、明日の休日の過ごし方をあれやこれやと。


女性陣を昼頃に迎えに行く口実で、

朝からどこかで釣りを愉しもうと、二人の意見は完全一致。

海まで出掛け、アジ釣り・イカ釣り。

若しくは琵琶湖でルアーを投げるか。

その辺りを思案している最中に、昼間の疲れか、息子はZZZ・・・・・


以前の記事にも記したけれど、

幼き頃よりこれまで、年に数度は一緒に愉しんできた息子との釣り遊び。

釣堀のニジマス釣りから始まって、

波止での豆アジ釣りや、田舎の小川での雑魚釣りなど。



そう言えば一度、琵琶湖の漁港でミミズを使ってブラックバス釣りをしたことも。

この時はルアーで釣る父親よりも大きいのを釣り上げ、

息子の鼻の穴が誇らしげに膨らんでいたのを思い出す。


と、これまでの釣りは全て餌釣り。

しかし今回は、悪い父親の影響をまともに受けてか、

ルアーで釣ってみたいんだとか。

そう、「はじめてのルアーフィッシング」


傍らで眠る息子を横目に、父は積まれた仕事を片付けながら、

明日のプランをあれやこれやと。

お陰で、休日の気の緩みも相まって、予想通りの朝寝坊。

待ちきれない息子に尻を叩かれ、いざ。


と言っても、既に明るい時間帯。

海までの道のりは時間がかかり過ぎ、実釣時間が最小限。

ここはやっぱり、琵琶湖までと。


昨夜、希に行うスピニングでの釣りの為の小さなボックスに、

一品二品ルアーを入れ替え用意した、ルアーボックスを手渡すと、

既に餌釣りとは一味違った愉しみを見つけたようで、

あれやこれやと質問攻め。

そんなやり取りも楽しみながら、車中で朝食を済ませ向かうは琵琶湖。

清々しい秋の陽射しが、湖面にキラキラと美しい。


どうせなら、釣らせてやりたい親心。

魚種に拘らず、とりあえず南湖へ到着。

既に色んな注意事項は、これまでも、向かう車中でも、

口を酸っぱくして伝えてきたが、水辺へ向うその道すがら、

再度確認、釣りを愉しむそのために。

少しのレクチャーの後、いざ。



不慣れなキャストながら、少しずつではあるけれど、

様になる様子を見ながら、私も少し振ってみる。

飛距離の違いに目を丸くする息子に、鼻の穴が膨らむ大人気ない父親。


しかし・・・・・そう簡単に釣れてくれる筈も無く、

覗く湖面も状況悪し。


少し移動を繰り返しながら、二人で探るが反応無く、

どうせなら、気持ちの良い場で釣りを愉しもうと、

一路北湖は湖西まで。


到着して程なく。

余所見をしていた父の袂に、僅かに伝わる慌しさ。

ふと目をやれば、竿が軽く曲がっている。

真剣な表情で苦闘する姿を見ながら、少しずつ歩み寄る。



そして、ルアーフィッシングでの初魚をその手に。

初めての魚が、ブラックではなくブルーだったのは、

変なところで父親に似たのか。

とにかく、親子共々嬉しい一魚に出逢うことができ感謝。


その後は、我慢ならない父親も、竿を片手に二人浜を釣り上がる。


前週の釣行とは様相異に、既に陽は高くとも時折湖面に溢れる生命感。

逃げ惑う小魚にそれを追う魚食魚の姿。

そんな中、息子に先を越された父親は、釣りたいルアーを一巡した後、



水面を割って出た一魚にたどり着く。

駆け寄り、羨望の眼差しを送る息子に、小さきながらも何とか面目を保つ父。


少しずつキャストも飛距離も定まり始め、

少ないながらも、あれやこれやとルアーを取っ替え引っ替えしながら、

「おっ」だとか「わわわ」だとか。

また、「あそこ行って見よう」だとか、「ここはアカン」だとか・・・・・・


既に昼前。残りの時間はあと僅か。

遠くに見える、あそこでやって帰ろうと指差す先は、実績場。

先行者が既に居なくなり、二人で入ることにする。


そこでの私の一投目。気持ちよく水面を割って、



そしてその次の一投でも、同様に。

数投後またしても割れた水面に、少し手ごたえのある魚信を感じ、

竿を息子に委ねてみたが、

見事、お約束のようにバラすのは、やっぱり変なとこだけ父親似。


この連発を目の当たりにした息子が、替えたルアーは小さなポッパー。

見よう見真似であれやこれやと。

そして遂に、寄せてきたポッパーに岸際数メートルで水面が割れる。



残念ながら、伝わった魚信は一瞬のものだったようだけれど、

本人大層お喜び。



気がつけば、とっくに時間はゆき過ぎて、

13:00。初めてのルアーフィッシング、竿を納めることにする。



行きの車中と異なって、少し言葉が少なげなのは、

膝に乗せた小さなルアーボックス、

少ないながらもそれぞれのルアーに手を伸ばし、

自分なりに、色んなことを感じていたのかは知らないけれど、

ぼそっと、

餌で豆アジ一杯釣るのも楽しいけど、

ルアーで釣るのもすごく楽しい。

中々釣れなくて難しいけど、

投げてるのだけでも楽しいし、

釣れた時嬉しいのはルアーの方が大きい。 と。



膝に乗せたルアーボックスは、

宝箱のように輝いて見えたことだと思う。


そんな息子の「はじめてのルアーフィッシング」に立ち会えて、

父の方がもっと嬉しい。と、心の中でつぶやいた。



この釣行以降、暇さえあれば、

小さなルアーボックスを開けては眺め、手にする日々。

さぁ、その箱持って、今度はどこで何釣ろう。
















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