初冬の早朝に割れた水面

京都釣組

2012年11月30日 17:00


初冬の早朝に水面が割れた。



過日、三連休は最終日の釣り。


この連休には、竿が持てぬと諦めていたところ、

予定変更重なって、連休中日の夜、滋賀の義実家入り。

見上げた夜空、東にはオリオンが輝き、

無数に瞬く星達から、明日の好天を期待せずにはいられない。


眠ること数時間。

この季節、夜明けは遅く、未だ暗闇。

昨夜、東の空に見たオリオンは、既に西の山並みへ差し掛かり、

くっきりと輪郭を映し出す北斗七星にケンシロウを偲ぶ。

寒さに身を震わせながら、準備し車に乗り込むと、

薄っすら霜の下りたフロントガラスにワイパーがガリっと。

車載の外気温計を見て納得。



1℃。

この日の朝は各地で冷え込みが厳しく、氷点下を迎えた所もあった様子。

そんな、前日からの気温差約10度の初冬感じる早朝、

琵琶湖に向かって、いざ走り出す。



晴天無風ながら、湖面は少し波立ち、

頭上には満天の星空。

予期する時合いにはまだ少し早い。

ゆっくりとタックルを準備し、

ようやく誰もいない、久しぶりの浜にそっと降り立つ。


未だ朝を予感させない東の空。

この季節、実績のあるルアーを表層ただ巻き、まず数投。

しかしながら魚信を得る事無く、いくつかのルアーをローテーション。

何も反応を得られぬ時間が身体を冷やし、朝日の到来を待ちわびる。


05:30を過ぎ、ようやく訪れた朝の兆し。



すると、少し白みを帯び始めた東の空とは対照的な、

未だ真っ暗な北の空に、一筋の流れ星。

意外に長く尾を引く姿に、久しぶりに見た流れ星、

縁起が良いのか悪いのか・・・・・


ここからは、朝の到来が早い。

刻一刻とその様相を変える東の空。







美しき自然の情景。


明るくはなり始めたが、未だ陽は姿を見せず、

身に染みる寒さも限界に近付き、少し身体を動かそうと、

数日前の釣行の際、少し掴んだヒントを元にルアーを付け替える。


明るくなり始めるとともに、水鳥達も動きを見せ始め、

少し波立つ湖面に、ペンシルを投げ、踊り、滑らせる。


数投目。

流れ込みからの水が当たるエリアを掠めて滑るファットサム。

それまで静まり返っていた湖面が割れる。

同時に伝わる心地良き魚信。

追いアワセを入れ、始まる魚との力比べ、知恵比べ。

良く引き、横へ横へと良く走る。

いつもヤラかす、バラシの邪念を吹き飛ばし、獲ることに集中。



久しぶりの気持ちよき一本。

寒さも忘れて、感無量にアツくなる。



気がつけば、東の空から陽が差し始め、



今獲った一本と、美しき琵琶湖の朝日に暫し呆然。

振り向くと、西の山並みも朝日を浴びて紅く染まる。



更なる一魚を求めるが、残念以降は魚信無く。


たった一本の魚ながら、既に十分満足し、

一旦引き上げ、浜替えする。


数日前に訪れた浜。

少し確かめたいこともあって。

再スタートの第一投。

岸際で小さく水面が弾け、次の一投でも。

ルアーはFB-65balsa。

残念ながら、フッキングには至らなかったが、核心をひとつ手に入れた。

その後は少しルアーを替えながらあれやこれや。

しかし既に陽は高く、魚信も遠のき一旦納竿。


ここからは、ひとつのルアーに手を絞り、

延々と浜の散歩が始まる。

片道約2kmのいくつかの浜を縦断し往復。

既に朝と呼ぶ時間帯が過ぎ、見事な秋晴れの中、

少し汗ばみながら、時に観察、時に打つ。

釣果が欲しいと言うよりは、琵琶湖の状況確かめたくて。

そして、少々くたびれ、11:00納竿。





初冬の早朝に水面を割って出てくれた一魚に感謝。











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